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【礼二郎のつぶやき】

うまくやれよ

映画の感想が来ると思っていた皆様、ごめんなさい。日曜日に観た映画はナチス、今日観た映画は障害者がテーマだったので気分は落ちるところまで落ちています。

という言い方は正しくないですね。落ちる、というよりも「そうだよねぇ…」と深く共感し過ぎて浮かれポンチになんてなれず冷たい雨の一日に相応しい心模様となりました。

こんな時には大好きな松之丞のラジオを聴いても何も言葉が耳に入ってこないし、良さげな音楽を聴いても心がなびきません。

風ひとつない鏡のように凪いだ湖面のような心にすーっと入ってきたのは糸井さんの言葉でした。

「うまくやれよ」

この短い6文字のお陰でさっきまで静まり返っていた湖に細波が立ち始め、明日への気力が生まれたのです。

分かったフリなんてしなくていい、上手にやろうなんて思わなくていい、妙な同情から中途半端なボランティア精神など抱かずに「うまくやれ」ば良いんだ。

暫く「今日のダーリン」を読んでいなかったのに、何故今日に限ってふと読みたくなったのか。

導いてくださる方がいる、と感じられる余裕があって良かった。素直に従える判断力があって良かった。

そして、世の中には無駄かもしれないのに労を厭わず灯火を灯してくれる人が沢山居ることに感謝。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・道具としてのことば。

立川志の輔さんは、もちろん立川談志さんの一門で、それも、いちばんというくらい、とても近くにいたお弟子さんだった。ということは、だれでも知っていることだけれど、師匠だった立川談志のことは、あまり多くは語らない。口を固くして黙っているという感じではないのだけれど、近くにいた「弟子の志の輔」として経験したことは、「談志の領分」だと考えているように、ぼくには見える。いわば、かつて秘書だった人が付いていた上司のことは語らないという感じに思える。なんだか、その姿勢が、ぼくにはとても美しく見えて、志の輔さんを好きな理由のひとつになっている。

とても少なく語られる「志の輔さんの談志」のなかに、ずっと印象に残っていることばがあって、それが、なにか、ことあるごとに思い出されるのだ。談志さんは、弟子や近くの人にとっての大事なときに、冗談めかす感じでなく、まっすぐに「うまくやれよ」と言うのだそうだ。志の輔さんも言われたのだろうと思うし、他にも言われた人は何人もいたことだろうが、回り回って、ぼくまで言われたような気になってしまう。

「うまくやれよ」は、すかっとかっこよくはない。なかなかに大人びた、功利的に聞こえることばだ。「じょうずに立ち回れ」ということではあるし、「情にまかせて下手なことをするな」ともとれる。血気盛んな若い人が言われたら、反発するかもしれない。しかし、「知恵をつかえ」という意味でもあるわけだし、「判断をまちがえないようにな」ということでもある。「がんばれよ」でも「負けるな」でもなく、「筋を通せ」でも「迷わず行け」でもなくて、「うまくやれよ」の複雑で寛容なひと言というのは、なんとも見事な「道具としてのことば」ではないか。そういえば、落語は「道具としてのことば」である。落語家の立川談志の、たったひとことの落語が、「うまくやれよ」だということも思えてくる。いつか、志の輔さんと話してみたいことだなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。これを読んでくれている人にも言おう、「うまくやれよ」。

# by reijiro_kaneko | 2020-01-28 22:26

連鎖反応

音楽を純粋に楽しんで没頭して聴きたいと思う神経回路は美に対する感覚を連鎖反応的に引き出すようで、今は猛烈に映画鑑賞欲が湧き起こっています。
連鎖反応_a0052916_11431146.jpg

昨日は「ジョジョ・ラビット」というコメディタッチではあるけれど強烈な世相風刺作品を鑑賞し、スカーレット・ヨハンソンの健闘も虚しくどんよりとした気分で映画館を後にしました。「金返せ!」ではないのです、なんというかそのちゃんと映画の意図するところが届いてしまって「人間の無知と誤解の為す処ヒステリックな悲劇が繰り返されるのなら人類なんて滅んだ方がマシなんじゃないか…」と酷く落胆し、数日経ってようやく「いや、それじゃイカン!なんとかせねば!」と勇気が湧くという経験をこれまでにも何度もしてきていますが、今回もまさにそのパターン。

そんなことだから、夜にはミドルテンポのふんわりとしたハッピーな曲ばかりを集めたプレイリストを作り、音楽に助けを求め本日の出勤は少しだけ心が救われながら電車に揺られています。

今日一日平身低頭で皆さんに尽くせば更に気分も改善されるとは思うのですが、プライベートではまたどんよりとしてしまうことが予想されるので、明日はリベンジとしてもう一本映画を観に行こうと考えています。

多分冒頭から泣きっぱなし予想ですのでティッシュじゃ間に合わないからバスタオル持参で出掛けようと思います。
連鎖反応_a0052916_11425608.jpg


# by reijiro_kaneko | 2020-01-27 11:42

音浴DAY

毎日、狂喜乱舞でApple music ダウンロードし放題機能をフルで活用しております。

「好きだけれど相当偏っている」
「自称音楽通を名乗っている割に網羅という言葉とは程遠い」
「意外と音楽漬けという程浸りきるまではいかない」

そんな自覚は重々ありましたが、アホですから認めたくなかったんですねぇ。ほんと一度死ねば良いのにと思います。

こうやって書いてる今、ヘッドフォンで「通のための坂本龍一」というプレイリストを聴いています。坂本龍一という日本が生んだ天才の氷山の一角しか知り得ていなかったのだなぁと実感しながら。

あ、そうそう、昨晩遅くに更新しお知らせしました昨年末の作品ですが、見ず知らずの方がこんな感想をTwitterに上げて下さっていて、他にも数名の皆さんが口頭で同じような感想を伝えて下さったことが心の支えになっています。

まるで動く絵画。美術館にいるような感覚。『美しい』と思った。チラッと見える細部の色がとても効果的。

√isions Showcase vol.4
金子礼二郎さんの【decay-de】
今回一番のお気に入り。

まさにニッチ。若者らしい元気で力強い作品がゾロリと並ぶあの公演で、僕の作品のような場違いの作品をこんな風に評価して下さるなんて、「大丈夫?」と不謹慎な心配をしてしまうほど。

良いんですよー、隙間だらけ余白だらけの退屈な作品なんて居眠りして見過ごして頂いて良いんですよー。

とは言いつつ、やはり嬉しいものは嬉しいのです。大勢が諸手を挙げて称賛してくれるよりも、少ない人数の方々に真髄がしっかりと伝わった方が僕は幸せです。

話を元に戻して、溺れるほど音楽漬けの本日、改めて痛感したことがあります。

もっともっと良い音楽を聴かねばならない。敬遠してきた音楽は勿論、好きだと思い込んで上澄みの部分しか聴いてこなかった音楽にもきちんと耳を向けなければ。

ダンス作品で伝えたい真髄も、上っ面をなぞったこじ付けでしかない真髄なんてたちまちバレてしまいます。「聴いたことがある」程度じゃダメなんです、最初から最後まで鼻歌で歌えるぐらいにまで聴き込んでおかなければ身体に染み付いた、とは言えません。

でもねぇ、今日だけでも100曲以上をダウンロードしましたが、これを全部暗記するなんて至難の技だし、まだ出逢えていない音楽が山ほどあるわけです。

無理じゃん…

あぁ、つい弱音を吐きました。若い頃は寝ないで聴き続けても全然大丈夫だったのに、最近は心地良い音を聴いていると秒殺で眠りへと落ちてしまいます。

それもまたよし。

しかし、教授はどうしてこんなに美しく儚い音楽を次々に生み出せるのだろう。もし輪廻というものが本当にあるならば来世は「坂本龍一」に生まれ変わりたいと本気で望んでいます。
音浴DAY_a0052916_20232838.jpg

音浴DAY_a0052916_20233087.jpg


# by reijiro_kaneko | 2020-01-26 20:23

【decay-de】という作品

この度、Envision Nextage 代表の松居摩耶氏のご好意により、昨年11月30日・12月1日に上演されたstudio √isions showcase vol.4 に出品させて頂いた【decay-de】という作品をYouTubeに載せることが出来ました。

多くは語りません。是非、ご覧ください。

なお、ご存知でない方のためにお伝えします。画面のこの部分をタップするとこの作品の説明欄が開きます。作品に込められた意味はこちらでチェックしてみてくださいね。
【decay-de】という作品_a0052916_04022329.jpg



# by reijiro_kaneko | 2020-01-26 03:49

ダンボの耳

珍しく数日前から膝に嫌な痛みを感じて原因を探っていましたが、昨日何気なくストレッチポールで前腿をゴリゴリしてみたら尋常ではない痛さに悶絶しながら、僕がいつも皆さんにお伝えしている常套句「筋肉がコリコリしてるのは立派な怪我ですからコリコリが無くなるまで解してくださいね!」を自分に向けて吠え続け泣きながら完璧にコリコリを消滅させました。

不思議なもので、膝の痛みが消えた事は言うに及ばず、解す前まで身体がすぐに冷えてしまい指先が氷のように冷たくなっていたのに、身体中ホカホカして夜もグッスリ眠れました。

同じようなことはよくあります。

足の指が強張ってきた時には大抵眼球も硬くなっているので眼球をグゥーっと指圧してあげると足の指もふんわりしてきますし、肩甲骨周りが突っ張ってきた時に脹ら脛を揉むと改善します。

「痛い箇所が原因とは限らず遠位に位置する原因を見つけられるように常に身体が発している声を聞ける心身のバランスを保ちなさい」

これはいつの頃からか受け売りではなく重い実感を伴って納得出来ていることの一つです。

とは言っても百発百中でトラブルを回避出来る筈もなく、誤ったサインを聞いてしまって肝心の患部は治癒せぬままドミノ倒しで他のパーツもガタガタと崩れてしまうこともよくあります。

それは教えの際にも同じ事が言えまして、皆さんの戸惑いの原因をアーチェリーの名手のように射当てることも出来れば、常にさざなみのように立ち込めている皆さんの思惑に惑わされて見当違いのアドバイスをしてしまうことも多々あります。

こればっかりは人間対人間ですから100%全員を納得させてスタジオからお帰しすることは不可能なのですが、元来負けず嫌いの性分なので限りなく100%の満足度の実現に向けて心身を擦り減らして何年も仕事をしてきました。

でもねぇ、そんなことしてたらまた頻繁にぎっくり腰をやっちまいかねません。

そんなのは嫌だ!

で、どうしたかと申しますと、博愛主義を辞めました。悪い言葉で言うと「そんなの知ったこっちゃねえ!」「今じゃねえし!」「ちょっと黙ってろや!」です。

酷いですね、これじゃ喧嘩にしかなりません。

解説しましょうね。

例えば膝が痛くて原因は前腿にあるのにお尻がしゃしゃり出てきて「ねぇ、僕たちを解してプヨプヨのお尻にしてくれたらきっと膝が痛いのも治るよ〜」と間違った訴えをしてきても「テメー黙ってろ!膝が治ったら解してやるから今はすっこんでろ!」と叱りつけたり。

例えば皆さんに提示した振付に対して「えー?こんな曲でそんな振付なのぉ〜?あたしだったらそうはしないし、こんな素敵な曲でこんなカッコいい振付創れるけどねぇー」みたいな好みを押し付けてくる教師なのか生徒なのか中途半端なスタンスの方がたまにいらっしゃるんですけど、口に出さずとも匂わせてくるその主張に対して「ちっと待っとけや!どうせ選り好みして今までおんなじようなものしかやってきてないんだろうからそう言うのも無理ねえけど、こちとらバリエーション豊かなスタイルのダンスを提供するのが売りなんじゃ!黙って踊っとけ!」とこちらの初心を貫き、数ヶ月後にその方がときめいちゃう作品をご披露差し上げて「こういうの大好きなんです!こんなの作ってくれて有り難う御座いますぅーん!」と感謝されるも大謙遜で「痛み入ります」と有難いお言葉を頂戴したり。

でもね、ほんとだったら何ヶ月も待たせて焦らして大興奮祭りをセッティングしたいところなんですけど、今回みたいに幾らこちらが懇切丁寧に世界観を説いても打てど響かずが続くと流石に心折れますので、そんな時は潔く変更してしまいます。

お尻もね、あんまりほったらかすとせっかく緩んだ前腿を「前腿兄さん達!そのブリッと張ったフォルムがオトコらしくてチョー素敵よ!だからもっと頑張っちゃって!」と唆して大惨事を招きかねないので、「はーいはいはーい、いつも頑張ってるねー、いい子だねー、そーらモミモミモミモミ〜」と即揉んであげることにしてます。

あーもーほんとめんどくさい…

色んな声なんか聴こえなくなっちゃえばいいのに、とよく思います。でも、そんなことが叶ってしまったら天からの授かり物の音楽センスも同時に失ってしまう可能性があるので、仕方なく全方向対応のこの耳は大事にすることにします。

ただし、ダンボの耳はたまにピタッと閉じて目は虚空を見つめている時があるので、そんな時は「あぁ、今はこの人に何を言っても無理なんだわね、じゃあ耳が開くまで少し待ちましょう」と思ってくださいね。
ダンボの耳_a0052916_16350930.jpg


# by reijiro_kaneko | 2020-01-24 16:34



ダンサー兼インストラクター『金子礼二郎』が気ままに呟いています。

by reijiro_kaneko
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