『HOTEL』お客様女性陣衣装デザイン画を公開します。
さあ、お手元やSNSのフライヤーと見比べてみて下さい!
こんな人たちいましたっけ?
今回、衣装デザイナーのDie-co★のテーマは『華麗なる裏切り』。当初の宣伝ビジュアルはあくまでもアンティークでオーソドックスな衣装、と見せかけて、本番は大胆に裏切るという目論見を立てていました。
僕的には裏切り過ぎて最早フツウにしか見えなくなっています。従業員の衣装記事の時にも書きましたが、Die-co★の衣装はパッと見、あまりの斬新さに目眩がするのですが、目が慣れてくると不思議とそれが当たり前と感じさせるところが彼の才能だと思っています。
当たり前だけどUNIQLOにもH&Mにもならない。豪華だけど現実離れし過ぎることない。そのバランス感覚には毎度のことながら唸ります。
コンテンポラリーダンスといえば無機質で動きやすい衣装と同じくソリッドでカッコイイ照明にノイズが多めのスカした環境音楽と相場が決まっているような風潮がありますが、そんなムードに僕らは喧嘩を売っています。いえ、おそらくコンテンポラリーダンスのメインストリームの方々からは、『おいおい、それ、喧嘩にもなってないから。次元が違いすぎて俺らもそういうの、よくわかんねぇし。』とはなっから相手にして貰えないであろうことは重々承知しています。
それで満足です。
だからと言って、『これは俺しか創り出せない唯一無比な世界観だー!』と天狗にもなりません。だって、幼稚だしオタクだしとても単純だし、なんかもう世界観とか高尚な言葉でまとめられる次元の話じゃないんですもん。
そんな創り手に身体も心も委ねて楽しそうに演じて下さっているこのお三方、、、『人生、大丈夫ですか?』と少々不安になります。
そして、同時に深い感謝と愛しさで胸がいっぱいです。
お三方に衣装を初めて着せた時のDie-co★の発言も相当酷いです。
こちらは『派手な仏壇みたいでしょ?』
こちらは『アタシ、世の中でピンクとかイエローとかだいっ嫌いな色だから!』
自分で創ったものに対してなんて言い草でしょう…。でも、これ、決していい加減な仕事をしている訳でも自分の創ったものを軽視してる訳でもないのです。僕も似たようなところがありますが、創ってしまったものに対して愛情の方向性が違うと言いましょうか。例えば、『私の作品、素敵でしょ?』と誇らしげに言う人は評価がそれを創った自分自身に向いていますよね。対して我々はその作品を着たり演じたりしている人に評価が向くのです。幾ら素敵な作品を創ったところでその作品を使ったりその中で演じたりしている人たちが輝いていなければその作品は価値がないとシビアに考えているのです。
ですから、この『仏壇のような衣装』を『はぁそうですか、仏壇なんですね、はい私は素敵な仏壇を着させて頂きます』という受け入れ方をしてしまったら完全にアウト。
『デザイナーがだいっ嫌いなピンクやイエローだけど、彼は私にそれが似合うと判断して創ってくれたのだから自信を持って着よう!』と受け入れたら大正解。
彼女達はきっと仏壇ではなく何か素敵な他の物を想起させる素晴らしい着こなしをしてくださるはずです。ピンクやイエローが自然に似合うキャラクターを作り上げてくれるはずです。
さて、いよいよ『HOTEL』の幕が開きます。皆様、是非贅沢なひとときを座・高円寺にてお過ごしください!