ゲストご紹介第3弾は川島真紀さん、川島優子さんです。
お察しの通り、お二人は姉妹です。以前からいつかお二人を双子の設定で起用させて頂きたいと考えていましたが、今回その夢が叶いました。
『HOTEL』に賭ける夢は幾つかありまして、例えばシド・チャリシーのようなクールで滅多に笑わないのに踊ると長い手足を器用に使いソリッドにもムーディにも躍りこなせるベテランダンサー、例えば往年のアメリカの映画俳優のような匂い立つ色気を持った中年ダンサー、例えば金と時間を贅沢に使ったにも関わらず登場時間僅か5秒の小道具達…
そういう夢の1つであり、HOTELを訪れる登場人物のトリを飾る双子の姉妹。構想を練っていた当初のワクワク感は作品が完成した今も続いています。実際に照明が付いて客席から観たらあまりの素晴らしさに発狂して卒倒してしまうかもしれません。
あ、イカンイカン、脱線しまくってますので軌道修正をば。
川島姉妹との出逢いは遡ること10数年。とある方主宰の公演で初めまして、の出逢いの瞬間から『なんて素敵な二人なんだろう…』と瞬殺されました。
彼女達が僕の作品に初めて出演して下さったのは、2009年の『Chess』。未だに再演を望む声を頂く超大作に真紀さんはナイト、優子さんはルークの役で起用させて頂きました。
6年前の『Village』でのお二人の共演を最後に大劇場での公演は今回まで久しぶりとなりますが、その間に真紀さん主宰の『おじサンバ』名義の公演に二度も客演させて頂いたのでそんなに間が空いている気はしませんでした。この、おじサンバ公演二回の経験は僕にとって宝物です。へそ曲がりの僕ですが真紀さんの振付・演出ならどんなことでも素直に応じることが出来、優子さんとのデュエットのシーンを二回とも頂けて丁寧に気持ちを通じ合わせて踊れたことは僕の殻を破るに十分過ぎる経験でした。
さて、お二人の双子設定ですが、オファーを受けて頂くに際してお願いをしたことがあります。
それは、『ティム・バートンやジャン・ジュネの映画に出てくるような奇妙で可笑しな双子』という設定です。
振付の段階でもお二人自らどんどん変な方向に味付けをして下さっていたのですが、先日奇才Die-co★の衣装の仮縫いがあり、とんでもない衣装や小道具がそこに足されたところ、僕の思い描いていた世界がそのまま其所に在りました。
後で触れますが、このDie-co★は公私共にパートナーであり長い付き合いにも関わらず毎日のように華麗に裏切られ続けている非常にインスパイヤリングな人物です。
彼の無茶振りとも思える数々の無理難題にもお二人とも嬉々として応じてくださり、最早当初の理想からどんどん外れていく有り様。しかしそれが逆に心地好い。奇抜を突き抜けると意外とフツウになるんだな…と感じる経験までさせてもらっています。
さて、彼女達への想いが強すぎて若干冗長になってきました。今日はこの位でご紹介を終えたいと思います。
川島真紀・プロフィール
『まともな就職もせず、今まで生きてきました。
バレエ踊って、ジャズダンスにハマって、ミュージカル劇団入って辞めて、バイトして、舞台出て、ショーパブで踊って、バイトして、舞台出て、舞台作って、バイトして、踊り教えて、バイトして、踊って踊って振り付け作って踊って……そんなことの繰り返しで、今まで生きてきました。
こんな人生を送ってきた私は、究極の我が儘であり、究極の幸せ者だと思ってます。
そしてもちろん、これからも、私はそうやって生きていきます。
私の周りの皆さん、ご迷惑おかけします!そして、本当にありがとうございます!』
川島優子・プロフィール
3歳よりバレエを始め、その後ジャズ、モダン等を始める。舞台出演、インストラクターとして活動。
お寿司と鶏肉が大好きです!!