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【礼二郎のつぶやき】

こんなことになってました

悪夢の五日間寝たきりから解放されてレッスンに復帰した月曜日、大騒ぎで労られるのが苦手な僕の気持ちを知ってか知らずかソッと声を掛けて下さったり遠くで見守ったりして下さる皆さんのお心遣いと優しさにジーンとしました。

とても久しぶりの火曜日の8ppy.さくらさんでのWS、僕の顔を見るなり心の底からホッとして下さり、腰を痛めた人間が考えたにしては少々荒っぽい振付も一生懸命覚えて踊ってくださる皆さんを見ていて胸が熱くなりました。

二度も閉講にしてしまった本拠地中野スタジオでの水曜日のレッスン、これまた腰を痛めた人間が指導するのはどう考えてもおかしい内容にも関わらず滝のような汗をかきながら丁寧に身体を使っている皆さんを見て自分の指導は間違っていないことを確信しました。

そして、レッスンを始める前にご迷惑をおかけしたことをお詫びしたら皆さんから拍手で迎えられた木曜日、これは誠心誠意向かい合わなかったらバチが当たるぞ、とキリリと身も心も引き締まり、いつも以上にハードルを上げたレッスンを行い参加して下さった皆さんにヘトヘトになって頂きました。

はい、そんな訳で金子、完全復活です。というより寧ろ怪我をする前よりコンディションは良いぐらいです。

どれだけ身体に無理を強いていたのか怪我をして初めて理解しました。「身体に無理のない流れるような全身の連動を促して」を売りにしていた己を恥じました。「自分のクラスでは比較的怪我人を出さない」と自負していた事も誤りであったことが分かりました。

「比較的」じゃダメなんです。「自己責任」なんて教師の言い逃れでしか無いのです。「絶対に怪我人を出さない!」という意気込みと信念が無かったらインストラクターなんて即辞めるべきです。

思いを刷新してくれた衝撃的な出会いはまさに怪我の功名でした。僕が腰を痛める数週間前、パートナーが酷い背中ギックリを患ってしまい本人は大の医者嫌いときてますので仕方なく僕が最寄りで何処か素晴らしい治療院は無いものか?とインターネットで探し、勘を頼りにとある整骨院を探し当て嫌がる彼を半ば強制的に送り出しました。それから数週間、流石に鈍感な彼でも日に日に体が楽になっていくのを明らかに感じているようで治療の日は嫌がるどころかイソイソと準備して出掛けていくようになりました。

そんな経緯があっての僕の事故。

「きっと一晩寝れば治るよ」と根拠の無い自信と共に眠りましたが、翌朝目覚めてみると寝返りが打てないほど完全に酷いギックリ腰が出来上がっていました。

「はい!いってらっしゃい!」と背中を押され、ヨチヨチと整骨院に向かい半泣きで施術台へ。「何をしたらこんなに仙腸関節ズレるんですか?!普通だったら歩くのも無理なハズですよ!」とまくし立てる担当の先生の言葉を遠くに聞きながら、幾ら揉まれても何も感じない己の身体に必死で語りかけました。

「お願いだから普通の痛みは感じるレベルに回復して…」

その後もトウトウと「痛みに強いのは勲章でも何でもないですからね!」とか「感覚を麻痺させてまで動きの美学を追求する在り方に僕は賛成出来ないなぁ!」とか「有り得ないとは思いますけどもし万が一一週間ぐらいで治って何事も無かったように仕事復帰出来たとしても油断は禁物ですからね!」などと説教は続きますが、これで全て終わったな…とドンヨリしている僕の耳には鳥のさえずりのようにしか聞こえません。

ガッチガチにテーピングを貼られ、翌日も朝一番に来るように言い渡され、自宅への帰り道をまたヨチヨチと歩いていてハッと気付きました。

とても健康的にお腹が空いていることに。

おかしな言い方ですが、いつの頃から食事に義務感を感じるようになっていて、旅館で食べる朝食のようにココは天国か?と思うぐらい美味しく食べられる、という経験を日常生活の特に朝食で味わったことが皆無であることに気付いたのです。

この日を境に施術を受けた後の朝御飯は毎回夢見心地。担当の先生がお休みで施術を受けられない日の朝食はやはり以前の曇天ムード。

相変わらず寝返りに手を焼くほぼ寝たきり生活が5日経ち、ようやく少し離れた場所まで出掛けられた6日目も帰宅するや否や発熱からの気絶レベルで寝落ち。

そして奇跡の復帰day、となるわけです。

6日目のバス移動往復1時間、リハーサル立ち会い3時間、それだけで発熱してしまうぐらい身体は本調子からは程遠い状態に有りながら翌日の電車往復3時間・レッスン3時間に果たしてこの身体は耐えられるのだろうか…動いた瞬間にまた腰砕けになるのではないだろうか…そんな不安で押し潰されそうになりながら担当店舗へ向かいました。

いつもにも増して入念なボールコロコロ解しを行っていると、普段ならその程度では何ともないのにジンワリと汗が出て来てウェアがシットリする程に。それは明らかに運動による汗、というよりも怪我を負ってダメージを受けた細胞たちからの悪い物が全て出切る感覚でした。

体勢によってはまだまだ不完全ではあるものの、レッスンに参加して下さった皆さんが「本当に怪我されてたんですか?」と不思議に思うぐらい身体は良く動いてくれたのは言うまでもありません。

担当してくれている先生が「一日で完治させられたらその先生は名医です。僕はまだまだですので、二ヶ月猶予を下さい。必ず治してみせますから。」と謙虚に仰って下さいましたが、6日であそこまで治せてしまう彼は正真正銘の名医です。

施術ベッドを隔てる筈のカーテンもずっと開けきった状態で、次々に来院する患者さん達は勝手に低周波治療器や温熱器を操作し、施術が終わると受付にお金を置いて帰っていく。

先生方は大声で的確な指示を飛ばし面白いように患者さん達は操られ膝や腰が悪いお年寄りは自ら進んでリハビリ器具を装着し歩き回っている。

まさに、「野戦病院」。

ドアを開ける瞬間に奥の施術ベッドで他の患者さんをグイグイ揉みながら3km先まで聞こえるであろう大声で「はーい金子さーんおはようございまーす!」と挨拶して下さる先生方は、声も風貌も威勢の良い八百屋の若主人にしか見えませんが、僕には「神」なのです。

こんな「神」しか居ない整骨院を全国に知らしめないのは身体に密接に関わる仕事をしている者として怠慢でしかない!と思い、「僕の周りの皆さんにガンガン宣伝してるんですよ!」と報告すると、「やめてください!金子さんみたいな重病人は一人で十分です!」と断られました(笑)

なんかねぇ、そういう在り方もドンピシャなんですよ。ビッグマウスだけど、それは自信に裏打ちされてこそのビッグマウス。なのに決して「俺は凄い!」と自慢することは無く謙虚極まりない。と見せかけて、誰彼構わずケラケラ笑いながら猛毒を吐く。

痛快です。

でも僕が一番してやられたと思うことは、整骨院に某アイドルの元ネタ写真の隣に堂々と貼られているこちらの写真。

完全に確信犯です。
こんなことになってました_a0052916_15240866.jpg


by reijiro_kaneko | 2019-11-15 15:23
<< カメラを通して気付くこと 明日から復帰いたします。 >>



ダンサー兼インストラクター『金子礼二郎』が気ままに呟いています。

by reijiro_kaneko
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