GouldのBachを愛して止まない僕ですが、AIは恐ろしいことに似て非なるけれどもきっと貴方は好きになるお勧め動画を紹介してくるのです。
今朝はこの御仁がお勧め動画のトップに表示されたので別に期待もせず開いてみたところ…
ええ、即死でした。
ゴールドベルグのアリアやベートーベンの月光はひたすら俯いたままほぼ微動だにせず淡々と一音一音を噛み締めるように絞り出す弾き方。速いパッセージの曲でも身体を大きく揺らすことなく指だけが短距離走選手のように躍動するスタイル。
もうね、ダメなんですよ、こういうアーティスト。冷静沈着・眉目端正・質実剛健、にも関わらず紡ぎ出す音はピアニシモからフォルテシモまで完璧に異なる表情を持ち様々な景色を見せてくれる聴く者の想像力に委ねる優しさに満ちている。
髪の毛を振り乱し荒れ狂う演奏スタイルで聴衆を圧巻するアーティストもそれはそれで素晴らしいと思いますが、僕個人的にはIgorさんのような無駄を削ぎ落とした墨絵のような人が丁度良いのです。
それでは僕が今朝魅了された3本の動画をどうぞ。