【礼二郎のつぶやき】

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カラダ再考察・その5

色々うるさジジイ的なことを書いてきましたが、とりあえず今回の総まとめをしてみたいと思います。

まずは自分の身体の癖や問題点をある程度きちんと洗い出して、理由や今後の打開策を考えてみましょう。

その際に身体と頭をバランス良く使って対処していきましょう。

悪い例ばかり書きましたが、自分の長所に気付きそれを伸ばしていってあげることは、むしろ問題点の解決よりも大切です。何はともあれ、自己否定からは何も生まれません。自分を愛して褒めてあげる、それが飛躍的な進歩への近道です。


studio CAS/Tのダンスは上手に踊れるに越したことはないですが、そればっかりじゃ片手落ちです。その人の良さが滲み出る味わい深いダンス、それが理想です。

そもそも何故ダンスなんてしたいのでしょうね?
単純にダンスが好きだから、という理由の他に根底に大きな理由がある気がします。

ダンスを通じて自分をアピールしたい、ダンスに内面を託して表在化させたいって欲求が多かれ少なかれ誰にでもあるのではないでしょうか。

その欲求がきちんと整理されいろんなものが淘汰されていくための一つの手段がたまたまダンスだったのではないでしょうか。

表現したい、よりよく変わっていきたい、そんな姿勢が見える人は無条件で応援します。勿論、アカデミックに極めたいという方も探り合いながら共に歩んで行きたいと思います。単純に楽しみたい方にはさらに楽しんでもらえるようにしていきたいと思います。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-31 00:41 | 身体

カラダ再考察・その4

「理論と感覚のバランスのとれたトレーニング(後編)」

さて、いよいよ本題です。

「理論と感覚のバランスのとれたトレーニング」とは一体どんなものでしょうか?

前回の末端の話でヒントはあちこちに配してきましたが、改めて考えてみましょう。

まず「理論」とはそれ自体が神格化されて扱われることが往々にしてありますが、それは明らかに間違った認識であることを前提に話を進めていきます。「理論」は「実践」を助ける手段の一つであり、同じように「感覚」もまたその手段の一つなのです。二つとも欠けてもいけませんし、どちらかが多過ぎてもいけません。

人間は何か動作を行う際、まず知覚(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚など)で捉えた情報を脳が急速に処理して「こう動きたいなぁ」というイメージをデザインし、身体全体に指令を送ります。また動いている最中に突然アクシデントに見舞われると脊髄反射により原始的な危機回避動作をとることもあります。

私のダンスでは、この知覚と一部の脳の働きを「感覚」、脳の記憶やデザイン能力を「理論」と位置付けて考えています。これらはこうやって文字にするととてもゆっくりな順序で起こっているように錯覚しそうになりますが、実際はほんの一瞬の出来事なのです。「あっ」と思った瞬間にその時取るべき形は過ぎ去ってしまい、その結果遅れてしまう。その逆に早取りで雑な動きをする人は脳の指令が末端に届く前に半ば反射のように次の動作に移っている。

どちらも好ましくありません。

ではどうしたら直せるのでしょうか?

反応スピードを上げつつ、丁寧な動作を行うにはゆっくりとしたコア・トレーニングから始め、次第にスピードを上げていく反復トレーニングが効果的だと考えられます。

また、雑な踊りをする方や弱々しい踊りをする方にはゆっくりとしたコア・トレーニングのみでもいいぐらいです。両者とも神経伝達が精密ではないのでスピードを上げてしまうと結局どこにも効かず疲弊するだけです。速い動きはしない代わりにしつこくやる。泣こうがいじけようがお構い無しにじわじわと責める。その積み重ねによって筋肉は適正に力を発揮してくれて末端まできちんと力が伝わるようになります。

ここまで主に現象について話をしてきましたが、もう一つ大切なことがあります。

それは「頭でっかち」でもダメだし、「気分先行」でもダメだということです。

「あたし難しいこと嫌いなのぉ〜。楽しきゃいいじゃ〜ん♪」という方はもうちょっと理論を勉強して欲しいし、逆に「これがこうなった時のここの角度はどのくらいでその時の心境は具体的にどのようなものですか?」と質問責めにする人は一度無心で吐くまで踊ったほうがいい。

とは言え、こういう性格に起因する問題はよほどモチベーションが高くないと実行に写すまでが大変なのですよね。なので最初から「やるわ!あたし!!!!」と鼻息荒く意気込まず、のんびり少しずつ行くことをお勧めいたします。

そう言いつつ最後にちょっと皮肉だけど真実のアドバイスを。

●解剖学の本なんて絶対読む気がしない方へ。

今日から取りあえず枕の下に解剖図を挟んで寝ましょう。

●頭でっかちさんへ。

ああだこうだウンチクたれずに劇場へ足を運び気持ちのよい音楽と雰囲気に身を委ね、爆睡してみるってのはどうですか?
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by reijiro_kaneko | 2006-07-27 21:27 | 身体

カラダ再考察・その3

「理論と感覚のバランスのとれたトレーニング(前編)」

前回最後にお聞きした質問はいかがでしたか?あなたはどちらに当てはまりましたか?

●「末端がゆるいタイプ」のあなた、よく肩・首・膝・足首などが痛くなりませんか?

この方達は、関節をダイレクトに動かしてしまう特徴を持っています。「え?動く時って関節を動かすから動けるんじゃないの?」と不思議に思った方、少なからずいらっしゃると思います。その通りです。関節がよく動くから私達は色々なカラダの形を作れるのです。

しかし、ここに落とし穴があります。このタイプにはもともと柔軟性に富みあまり筋肉質ではない方が多いのです。関節をまたいで繋げている筋肉本来の働きを極限までカットして動いているので、関節の可動域はどんどん広がり、結果、筋肉は使い古されたゴムのようになっていきます。関節は風に揺れるスイングドアのようにキイキイと音を立て、しまいには痛みを引き起こすのです。

そうなんです。関節の動きがいいからといって動くに任せていると美しく動けるどころか怪我のもとを作っているだけなのです。

関節を構成している骨と骨を繋ぐ筋肉をしっかりと伸縮させられるようになって初めて美しく且つ逞しく踊れるようになることを徹底的に頭に入れましょう。

●「末端が緊張するタイプ」のあなたはどんな傾向がありますか?

この方達は良く言えばアスリート型の方が多いようです。一定方向に対してものすごい力を発揮しますが、突然違う方向を指示されると仁王立ちになるかそのままの姿勢をキープしたまま倒れてしまう。そんな経験があるのではないでしょうか?

また形や角度の好き嫌いが激しいのもこのタイプの特徴です。この方々は筋肉が偏って発達していたり、関節の可動域がもともと小さい方が多いようです。

このタイプの課題は、筋肉の伸縮を連動させながら動いていく意識づくりです。また、不得意な方向への反復筋トレなども必要ですね。

しかし、この方々はラッキーです。もともと筋肉は存在しているんですから、あとはその質を変えてあげればいいのです。きちんとした連動を身体に覚えさせてあげれば自ずと関節の可動域も広がっていきます。

ここで一つ余談ですが、「末端がゆるいタイプ」の人には感情的・感覚的な方が多く、「末端が緊張するタイプ」の人には理論的・数学的な方が多いようです。別に統計をとったワケではないのであくまでも印象ですけどね。

これでやっと本題に入っていきます。次回は総括編です。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-27 20:59 | 身体

8月の使用予定曲・及び振付説明

お待たせしました!いよいよ夏到来、ですね。そんな暑い季節にぴったり(かどうかは実際に踊ってみて感じてください)なラインナップにしてみました。

●月曜昼・金曜夜「Swing & Spiral」
『Natasha Bedingfield / I Bruise Easily』
切ないバラードです。いつもの「螺旋」「揺らぎ」に加えて狂おしい心情を表現したいと思います。ちょっとリリカルジャズなテイストになる予定。
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●月曜夜「The Style(Original Style)」
『Jurassic 5 / Back 4 U』
たまにはウェッサイな感じもいいかなと思い、ヘビーなラップの曲にしてみました。しかし、この曲、サンプリングに「Art Of Noise」を使っているのです。ゴツッとしたラップと哀愁のあるメロディーがミスマッチして極上の香りを醸し出しています。
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●水曜昼「The Style(Contemporary Jazz)」
『Gabin / Doo Uap,Doo Uap,Doo Uap』
有名な「Don't Mean A Thing」をサンプリングしたご機嫌なクラブサウンド。Fosseスタイルと古き良きMGMミュージカル・スタイルのダンスを混ぜて、ちょびっとコンテな味付けをした振りになります。
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●水曜夜「Speed & Technique」
『Weekend Players / I'll Be There』
ストリングスの流麗なイントロから一転して激しい6拍子の哀愁未来系打ち込みサウンドに流れ込むスリリングな曲です。綺麗な流れをつないでいくよりも身体の面を激しく変えながら、随所にフリースタイルなニュアンスの動きを挟んでいきます。リズム取りと身体の面の切り替えの二つをテーマにしていきます。
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●金曜昼「Swing & Spiral」
『Wilhelm Kempff / Piano Sonata No.14 op.27 "Moonlight"より第一楽章』
と書くと何だか全く分かりませんよね?でも日本語で書くと誰でも知ってる曲なんです。ベートーベンの『月光』です。だいぶ以前、日曜日のクラスで使ったのでご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、今回は新バージョンに挑戦してみました。哀しくて静かな曲ですが、静謐な部分もあり感情露わにする部分もあり、起伏に富んだ振付にしていきます。
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●土曜「Speed & Technique」
『NItin Sawhney / Noches En Vela(Part 2)』
フラメンコMeetsトライバル・テクノとでも言いましょうか。回転もの、足技を多用します。アクセントとして手のニュアンスもつけていきますが、あくまでもコアをしっかりと使って力強いイメージのダンスにしていきたいと考えています。
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●日曜「The Stage」
『Michel Camilo & Tomatino / Two Much~Love Theme』
久しぶりのスローですね。ギターとピアノの美しいデュオ・ナンバーです。曲調は物悲しいのですが、そこに引きずられずたおやかで伸びやかな振りにしていきます。内容的には「Spiral & Swing」クラス寄りです。動きを繊細に繋いで踊る練習をしたい方は是非参加してみてください。
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月曜昼と金曜夜が一緒の他は全て違う振付にしました。テイストもクラスによってかなり違います。それに伴ってエクササイズも質を変えていこうと思います。皆さんの身体を見ながら、ですので劇的に変わるということはありませんが可能性を見出したらどんどんテクニックを要求していきたいと思っておりますので、「レッスンを受ける」ではなく「一緒に作品を創る」あるいは「コラボレートする楽しみを味わいたい」という意気込みで受講してくださると僕もとってもヤル気が出ます。よろしくお願いいたします!

なお、「CAS/T連絡帳」でもお伝えしましたが、今月から水曜夜のクラスは中野新橋のスタジオkeynoteに移転します。お間違えなきよう。

ではレッスンでお会い出来るのを楽しみにしてますね!!!
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by reijiro_kaneko | 2006-07-27 15:37 | レッスン

カラダ再考察・その2

さて、先日は「知らないことは怖い」を導入代わりとして問題提起してみましたが、今日は実際にどんなケースがあるかを洗い出してその理由を僕なりに考えてみたいと思います。

皆さんは今まで普段のレッスンや舞台などでどんなことを他人から言われたことがありますか?ちなみに僕の場合はこんな感じです。「シャープに動いて凄いなと思うけど、ドシンとした存在感はないよね。」「女性と組むとすごく気を遣ってるのが分かる。もうちょっと手のひらの上で操ってる感じが出てもいいのにね。」「壊れそうで幼気なところが良くもあり悪くもある。」「よくクルクル回りますねー。」「少し顔を伏せて踊るのが好きですか?」「マッチ棒みたい。」

5〜6年前の評価なので今とは少し違ってるところもありますが、相変わらず弱点な部分も依然としてあります。

ここから先はあまりイイ意味でなく使われている駄目出しの言葉(僕がかつてよく舞台に立っていた頃、他人が言われていたことやレッスン中に先生がよく口にしていた言葉を思い出し、また今CAS/Tに来てくれている生徒さん達がかつて言われた経験談などを参考にしています)を提示し、その理由や打開策を書いていきます。

●「締まりのない踊り」
まず筋力不足による関節やコアのコントロールがうまくいってないことが大きな理由として考えられます。また身体全体の意識が漠然としているので、どこを支点にしてどこをしっかり動かしたらいいのかがよく分かっていない可能性があります。

●「平面的な踊り」
上の「締まりのない踊り」にも関連するのですが、腕は腕だけ、足は足だけという風に四肢がパタパタ人形のように動くタイプと、身体の前面だけの意識で踊るタイプとに大きく二分されます。

●「雑な踊り」「繊細さに欠ける踊り」「乱暴な踊り」
これはコアのコントロールに偏りがあることも理由の一つとして考えられるのでしょうが、性格的な理由が大きいかもしれません。緻密に振りを組み立てることが苦手で、「あ〜、こんな感じっしょ?」とざっと踊ってしまうタイプです。なんとなくフィーリングは合っているのですが、爪先や指先などの意識が弱いことも特徴です。

●「強ばった踊り」「硬い踊り」
これは前者とは逆に爪先や指先に異常に力が入り過ぎていたり、形を気にしすぎてしまうあまりパキパキとした動きしか出来ないタイプです。一見筋力があるように見えますが、一定方向にしか力を発揮しないので片手落ちです。

●「迫力の足りない踊り」「弱い踊り」
圧倒的に筋力が足りないか、背骨の動きがほとんど無いことが理由として考えられます。プリエが弱く重心移動が苦手なので、定められた形に到達する前に次の形に移行してしまい伸びやかさにも欠けます。

以上、ザッと例を並べましたが、全部に共通している解決策としてやはり「コア・コントロール」をまず挙げたいと思います。

「コア・コントロール」とは平たく説明すると『全身を協調して動かしながら身体の深層の筋肉をしっかりと使っていくトレーニングを経て、実際に踊る際にはそのコアがまず反応して徐々に身体の末端に動きが伝染していくようになる』メソッドやその現象を意味します。

例えば最近CAS/Tのレッスンで取り入れている「骨盤ちょい上げ・肩胛骨前に突き出しながらおなかエグる腹筋」で実感されている方も多いと思うのですが、しっかり肩胛骨を前に引き出してくるとおなかは綺麗にくびれ、下っ腹にカキーンと力が入り、首は痛くないはずです。またその時に土踏まずをしっかりとアーチを作れていればさらにおなかはエグれてきます。実際に踊る時にはずっとおなかを丸めているとは限りませんよね?でも、このトレーニングを身体に馴染ませることによりどんなおなかや全身の姿勢であってもコアはちゃんとコントロールされ動きやすい身体を作ってくれます。

打開策は挙げればキリがないので、もう少しだけ書いておきますね。

「コア・コントロール」にも関連するのですが、手は手、足は足、首は首、という風に独立して観察ばかりせずに、全体をよく観察して全身の形をまずざっくりと頭に入れ、特に両肩を結んだ線の延長線上と腕の関係や、骨盤〜膝〜爪先の関係に着目する習慣もつけたいものです。とは言え、これを習慣化するのは並大抵の自意識では無理なので、これからクラスでしつこく指摘していこうとは思います。

最後に自分はどちらに当てはまるか考えてみてください。

あなたは「末端がゆるいタイプ」ですか?
それとも「末端が緊張するタイプ」ですか?

これが自分で把握出来て、注意をそこに向けるだけでも格段に進歩します。是非試してみてください。

次回は「理論と感覚のバランスがとれたトレーニング」について述べたいと思います。お楽しみに。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-27 01:24 | 身体

カラダ再考察・その1

今日のテーマは「知らないことは怖い」です。

さあ、タイトルだけ読んでどうお感じになりましたか?

レッスンをしていて見えて来る皆さんの弱点をカバーするために言い方を工夫したりメソッドを変えたりとあれこれ試行錯誤していますが、ここのところ相次いで実感していることがあります。

それが「知らないことは怖い」なのです。この言い回しはあくまでも教える側からの視点でのものなので、カチンと来た方も、まあしばらく我慢してお付き合いくださいね。

では本題へ。

分かりやすい例を一つ出しましょう。

Aさんは長年一生懸命レッスンしてきて何度か舞台にも立ってきました。それなりに上手に踊れるようになり自分でもある程度の自信は持っています。しかしながら根詰めて練習すると必ずあちこち故障するのです。最初の頃は「これを乗り越えてこそ上手になれるのだわ!そうよ!我慢よ!頑張れ自分!」と自分に鞭打ってレッスンに励んできました。ところが40歳を越えた頃から痛みは慢性化し、ストレッチも思うようにできなくなってきました。踊りは続けたい、しかし身体は言うことをきいてくれない。Aさんは悩んでいます。

さあ、皆さん、Aさんはどうしたら良いのでしょう?

Aさんの故障の場合、色々な理由が考えられますよね?

もともと骨格に合わない動き方をしていたのかもしれません。「根性」で何とかしようという性格、あるいは廻りの風潮のせいかもしれません。ある程度自信がついてイイところを見せたくて無理をしてしまったのかもしれません。

しかしもっと根本の問題があるのではないでしょうか。

そうです。Aさんはおそらく解剖学の本など一度も開いたことはなく、身体の正常な動きの理解が欠けていたのです。それでもある程度上手になれたのは感覚的に理解する能力が高かったからだと推察されます。

Aさんと僕には大きな共通点があります。それは「感覚的に捉える」能力です。この能力はダンスを含めあらゆることに必要不可欠な要素です。しかしながら、時としてそれを過信し過ぎると痛い目にあってしまいます。理論と感覚がバランス良く操れる人を目指したいものです。

話を元に戻しましょう。
ではAさんに今必要なことは何でしょうか?

今まで学んできたことはひとまず置いておいて、正しい動きとは何かを見つめ直すことから再スタートする。それがAさんが成すべきことなのです。

「正しい動きとは何かを見つめ直す」と一言で言っちゃってますが、これがどれだけ難しいことかは「Body Conditioning」のクラスを何度か受けてもらった人には実感して頂いてると思います。例えば「引き上げる」という言葉がありますね。これは非常に複雑で大変なことなのですが、教師はどうしても慣用句としてさらっと使ってしまい、生徒はそれを鵜呑みにしてなんとなくイメージでこういう感じかな?レベルで終わってしまっていることが多いのです。しかし、「BC」に通っているとそんな単純なものではないことに気付くはずです。

「引き上げる」=「腸骨筋を収縮させ骨盤をタイトに引き絞りながら、大腰筋で骨盤を釣り上げた上でお尻の筋肉をしっかりと引き締める(大臀筋・中臀筋などの大筋群と深層外旋六筋の協調した動き)。それが出来た上で綺麗な背骨のアーチを保ちながら比較的真っ直ぐな背骨を作る。肩胛骨は固めず筋肉によって柔らかく固定しておく。」という風に「引き上げる」一つとっても非常に複雑な構造から成り立っているのです。こういう多面性への理解がまず常識として根付いてほしいと思います。

また、それに関連してもう一つお話をしましょう。

よく「膝が痛い」「腰が痛い」「首が痛い」という声を聞きますが、痛みが出た場所そのものに原因があると考えてしまうのが普通だとは思うのですが、実は骨盤周辺の歪みや間違った使い方が原因である場合が多いのです。さらにその不都合のせいで足の指を左右均等に踏ん張れなくなり、最終的にそれが理由で首に障害が出るというケースも決して少なくありません。

「木を見て森を見ず」にならないように気をつけたいものです。

このシリーズはしばらく続きます。次回もお楽しみに!
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by reijiro_kaneko | 2006-07-26 11:51 | 身体

お勧めCD〜ほっと一息つきたい時に〜

ヒーリングとは言いつつも、かなりエグいラインナップが続きましたので、この辺で少し「ほっとするアルバム」を幾つかご紹介しましょう。

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『Eric Clapton / pilgrim』

もう説明なんて要らないくらいのスーパースター、いや「神」レベルのお人なんですが、何故かこのアルバムしか持ってません。フィル・コリンズやピーター・ガブリエルあたりと似た感覚の位置づけなのかもしれません。あの辺の世代の音楽って僕らの世代はバッチリ重なってなくて、ちょっと僕らは遅れちゃってるんですよね。なので、わざわざ遡って「いいっすよねー!プログレ〜!」みたいなノリで合わせるのもなんか失礼かなぁと。

なので、クラプトンがR&Bに接近したアプローチを見せたこのアルバムだけ買ったんです。このノリならオンタイムで理解が出来るので。

聴きやすい曲がずらりと揃ってます。音量上げて聴くも良し、BGMとして流し聴きするも良し。彼の声の優しさ、ごりっとしながらもその奥に見える温かさがとても心地良いアルバムです。

個人的には「Circus」を聴くとたまらなくなります。何がたまらなくなるのかはご自由にご想像ください。



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『Mark Murphy & Till Bronner / Once To Every Heart』

敬愛する二人のミュージシャンが手を組み、素晴らしい相乗効果を生み出している秀逸なアルバム。

Mark Murphyは御年73歳。とてもそんな年の人の声とは思えない。渋くて深くて奥行きのある温かい声。そっと寄り添うように囁くTillのフリューゲルホーン。そんな1曲目から始まり、若干の起伏はあるものの終始穏やかに時が流れていく。

Markの時折聞かせる喉を絞り出すようにして唸る声には鳥肌が立つ。上手な歌手は数あれど、どこまでも人間っぽい声という点では彼の右に出る者はいないのではないだろうか?彼は「歌」の枠を超えてすでにNo Boundaryな世界に居る。



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『George Benson / Irreplacable』

まあ難しいことは抜きにして楽しみましょう!60過ぎのおじさんが楽しませてくれてるんだからここは一つその手のひらに乗っかって甘えちゃいましょうや!

最近のStevieの新譜「A Time To Love」もそうだったのですが、大御所がリリースするアルバムには突き抜けたポップ感が満載で嬉しくなります。流行に迎合してる?おおいに結構じゃないですか?!化石のように自分のスタイルを死守していくのもアーティストとしては格好イイかもしれません。でも、常に時代の流れに敏感に反応し、若い世代とのコラボを楽しんじゃおうとするオヤジはもっと格好イイと個人的に思うのです。

この人の声には独特のエグ味があって昔からその歌声は好きでした。本作でも随所でその本領を発揮してくれています。さらっと聴いてしまうと見逃してしまうんですけどね。

リラックスしつつも適度に緊張感を保ちたい気分の時にぴったりです(どんなだ?)



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『Bebe Winans / Dream』

言わずと知れたWinansファミリーの牽引者。その深く甘いバリトンは胸を揺さぶります。King牧師の演説がサンプリングされている「I have a dream」は何度聴いても号泣してしまいます。

この曲に振りをつけたこともありましたが、彼の声が良すぎて時期尚早でした。数年後リベンジしたいと思います。出来ればナマで歌ってもらって一緒に踊りたい、そんな野望すら抱いております。

悲しみがあるからこそ、人は強く優しくなれるのかもしれません。そんなことを考えさせられるアーティストです。



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『Till Bronner / Oceana』

素敵すぎて身悶えします!

前述のMark Murphyさんのアルバムでフリューゲルホーンを吹いてるお方です。Nils Petter Molvaerのトランペットはどちらかと言うと「脱・生楽器」なベクトルにあるのですが、Tillさんのトランペットはとても柔らかく温かく、そして色っぽい。演奏方法は両者非常に似ているのですが、この違いは興味深いものがあります。

まず「Danny Boy」を聴いてみてください。洗練されているけれども、どこか懐かしい匂いが微かにしてくる美しい曲です。元々素晴らしい曲なのですが、それがTillのペットにかかるとこんなにも豊穣なメロディーになってしまう!どんなにイライラしてる時でもこの曲を聴くとすーっと癒えていきます。

スローテンポの曲ばかり13曲。すべて珠玉の名曲ばかりです。



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『Slava / One Wish』

私にとって「Ave Maria」(ライフログをご参照ください)は忘れられない1枚なのですが、余計な感情が入り過ぎるので今回は敢えてこちらの夢見るようなアルバムを推薦させて頂きます。

SLAVAは優れたアーティストだとは思うのですが、時々その高音が耳に突き刺さる感覚に陥る時があり、いつでもOKな人ではないのです。でもこのアルバムは全曲キンキンしたところが一切なく、優しい歌い方なので安心して聴くことが出来ます。

先日の公演にて「In a sentimental mood」を使わせて頂いたのですが、オリジナルの楽曲の良さを改めて実感するとともにSLAVAの懐の広さに胸打たれました。

彼が歌う映像も幾つか見たことがありますが、パウ゛ァロッティもそうなのですが、頭蓋骨が動くのです!表情豊かなのは言うに及ばず、骨までも動かしてしまうとは!身体全体が楽器になる歌手ってホントに無条件でrespectせざるを得ません。



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『Chet Baker / Chet Baker Sings』

人は元気の源を色んなものに求める。僕の場合は音楽が圧倒的に救いになる。

Chet Bakerもそんな一人。歌もトランペットの音色も優しく儚く抱きしめてくれる。聴き始めた当初はその中性的と評される声が母性的だと勘違いしていたのだが、最近では寡黙だがそっと助けてくれる父性愛なんじゃないかなと感じるようになってきた。

どうやって聴いても中性的には聴こえなくなってきたのである。確かに「甘い」「柔らかい」「軽い」と三拍子揃えば中性的と言われても仕方ないのだが、彼には圧倒的な力強さ・ナルシスティックな歌唱スタイルがあって、理想の父親像と被るのである。むしろトランペットを吹いている時の方が繊細に感じたりもする。

あれこれ言っているが、本当に凄い人だと思う。そしていつまでも色褪せず人々に愛されていく音楽なんですね。



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『Elie Semoun / Chansons』

なんとコメディアンが本業というElie Semounのデビューアルバム。

これぞシャンソン!というヘタウマな歌い方に最初はくすっとするんですが、すぐに下手ではないことに気付きます。どこまでも軽くちょっとハスキーな声にたちまち虜にされてしまいます。

ボサノヴァの巨匠達を尊敬している彼らしくシャンソンと言うよりは上質なボッサの味わい。デュエットも2曲収録されており、これがまた素敵。相手を邪魔せず引き立てあいながらきっちり自分も主張する、歌が上手い人でなくて出来る技ではありません。



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『KAZUMASA HASHIMOTO / Gllia』

ざりざりとしたノイズを背景に電子音とアコースティック音が調度良いバランスで漂い極上の癒し空間を作り出してくれるアルバム。

本当に気持ちイイ。エフェクトかかりすぎて何言ってんのか分かんないフニャ歌も素晴らしいヌケ具合。



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『Manhattan Transfer / Vibrate』

昔のアルバムも勿論素晴らしい傑作揃いなんですが、敢えてこの最新作をご紹介します。

リラックスして楽しんで歌っている雰囲気が伝わってきて、とても嬉しくなるのです。アレンジが甘いとか音がスカスカだとかご指摘になる専門家もいらっしゃるようですが、完成度も大切ではあるけれど、音楽って何よりも本人達が楽しんでいる〜それが伝わってくるってことが何よりも大切だと思うのです。その「伝える」ってことにかけては彼等はやっぱりプロフェッショナルだと思うのです。

どの曲も素敵ですがタイトル曲の「Vibrate」が秀逸です。ジャジーな子守歌みたいです。
そして「Embraceable You」、最高に気持ちいい。



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『Kenny Rankin / A Song For You』

Michael FranksやChristopher Crossなんかを聴いていたらいつのまにかこの人に辿り着いてた。どうしたら彼のような柔らかく豊かな、それでいてずしっと心に迫る声を出せるようになるのだろう?

上手な歌手は沢山いるけれど、こんなにも静かに歌っているのに感情を揺さぶられる人は他にあまりいない。でも嫌な感じは全くない。むしろ引っかかってる気持ちを綺麗に洗い流してくれるような音楽。

しかし、どんなに悲しい内容の歌を歌っても、ハッピーに聴こえるのは私だけだろうか?



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『The Singers Unlimited / A Capella』

あれは、山下達郎のラジオ番組を聴いていた時です。ビートルズの「Michelle」が流れてきた。ア・カペラに魅せられた瞬間でした。多重録音の効果を差し引いても、人間の声だけでここまで重厚なハーモニーが出せることに畏敬の念すら抱いたのです。

1967年結成だというからちょうど僕と同い年。しかしながらすでに他界されてしまったメンバーも。71年から80年までの間に15枚のアルバムをリリースし、ピタッと活動を休止。再結成は、、、、おそらくあり得ないでしょうね。でも、それでいいのです。永遠に夢を見させてほしい。

「Michelle」もいいですが、「Both Sides Now」や「Try To Remember」も圧巻です。いつかものすごい音質の良いオーディオセットを揃えてソファに沈みこみながら鑑賞するのが夢です。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-22 00:33 | 音楽

お勧めCD〜ヒーリング編・その3〜

今回のテーマはヒーリングの中でも私が特にこだわっている言葉『静謐』です。
単に静かで聴きやすいだけではいけない、その中には凛とした意志が感じられることがとても重要です。また、美しく流麗なメロディーは要らないと思うのです。どこか稚拙に感じるくらいのただたどしさ、あるいは展開を無理矢理抑え込む潔さ、時に一見脈絡のない演奏の中に挟まれるとてつもなく美しい和音、そんな要素があって初めてこの言葉を使いたくなります。

そんなアルバムを幾つかご紹介しましょう。

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『Arve Henriksen / Chiaroscuro』

「希有」という言葉が似合うアーティスト、とはまさに彼のことでしょう。

彼の音楽はホーミーや尺八などを聴いてるような錯覚に陥らせます。もしかするとずっと昔に失われてしまった音楽を今蘇らせてくれているのかもしれません。

歌声は天上を彷徨い、トランペットの音色は内臓にベットリと張り付きます。こんなにもスピリチュアルでミニマルなのに、聴き終わると清々しい感覚だけが残ります。Nils Petter Molvaerがアドレナリンを誘発するミュージシャンだとすれば、Arveは間違いなくエンドルフィンを大量に分泌させる人です。

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『Domenico De Clario / Shaker Road: Quit Existing』

降りそそぐかのようなピアノの分散音がひたすら美しく耽美な世界を作り上げています。Craig Armstrongをさらに脱メロディー化した感じ。満月の夜にレコーディングを開始し、また満月の夜に収録し終えたというエピソードもなんだか素敵です。

「耽美と退廃な音探してるんだけど、いまいちメロディーが聞こえちゃったりして鬱陶しいんだよね」とお嘆きの貴方、お勧めですよ。

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『Nils Petter Molvaer / ER』

相変わらず、曇ってます。ペットの音も完全に効果音と化しています。前作より少し優しい感じになったかな?でもfuture jazzが好きな方には相変わらずド真ん中なアーティストなのではないでしょうか。

粒子の粗い音の集合体とどこまでも広がっていくダークな空間、そして無いようで微かに存在する美しいメロディー。僕の中では無比のアーティストですね。

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『Tomasz Stanko Quartet / Suspended Night』

先日自己名義でデビューアルバムを発表したMarcin Wasilewski率いる「Simple Acoustic Trio」がバックを務めている。

ジャケットに写るスタンコ氏は見るからに偏屈で難しい人のように見える。演奏も溌剌と吹きまくる感じではなくじっとうずくまって何かに耐えているような瞑想に耽っているような音。しかし、変にビブラートをかけない素直な音色には共感が持てる。職人が眉間に皺を寄せながら生み出す素朴な音がそこにある。

偏屈ジジイと清廉なトリオが出会う時、溢れ出てくるものはとても純粋な音楽への愛である。

クール。グルーヴィー。ドライ。しかしながらエレガント。そんなワードが当てはまる。

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『David Darling / Cello Blue』

このアルバムを聴いて思い浮かぶのは「重く垂れ込めた雲」「深い霧」「黒い水面」ですね。でも決して悲観的ではなく、この人の人間性が滲み出ているのか優しさに溢れた作品です。

よくダンスレッスンのリラクゼーション時に使うのですが、皆二度と立ち上がれない位弛緩しまくってます。

Ketil Bjornstadというアーティストと共作した「Epigraphs(墓碑)」も傑作です。こちらの方がリリカルかな・・・

とここまで並べてみて全員、東欧〜北欧のアーティストだってことに気付きました。この惹かれっぷりには尋常でないものがあります。いつか行方をくらましたらその辺探してみてください。ポーランドのジャガイモ農家、あるいはノルウェーの入り江の奥の漁村あたりに潜伏してるはずです。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-18 19:19 | 音楽

お勧めCD〜ヒーリング編・その2〜

前回の「bliss」「calm」に続いて普段よく聴いている「癒し」の音楽をご紹介します。

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『Manual / Bajamar』

水蒸気に似た音の氾濫。

時代も空間も飛び越えて浮遊する音。

偶然に生まれたように見せかけて実は緻密な計算がそこには見てとれる。

決して雰囲気に溺れず、かと言ってガチガチの理性派でもない。そのバランスが心地よい。

ここのところクラスで流してみているのだが、身体のほぐれ具合がイイ。1曲目がとっても怖いんですけど、2曲目以降はヨガミュージックのようでα波が多量に含まれているので自然に集中力が高められる。

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『Angela Hewitt / J.S.Bach Goldberg Variations』

Glenn Gouldのゴリゴリとした超絶技巧による演奏も好きだが、たまにはこの人のようなまるでチェンバロのように聞こえる華奢な演奏も悪くない。

すべてが落ち着いたチントンシャンな演奏なので、元気いっぱいの時は少々物足りなさを感じるものの、疲れている時にはこの上なく心地よい音楽になる。

Goldbergは僕の原点とも言うべき音楽である。ただの練習曲のようなこの曲が、迷った時に立ち帰る「家」なのである。その家にはやはり両親がいつまでも元気で待っていて欲しい。Glennが父だとしたら、Angelaは母なのだろうな。

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『RF / Views of Distant Towns』

サンフランシスコ在住RFの最新アルバム。

チコチコピヨピヨしたエレクトロニカをベースにしたアコースティックな音楽叙事詩とでも言おうか。微かに聞こえるボイス・サンプリングや自然音がどこか遠い昔に連れていってくれる。メロディーも一応あるのだが、それよりも一つ一つの音の粒が形成する点描のようなイメージにうっとりする。

Manualが読経のような印象を与えるとすれば、RFは絵のような音楽、である。

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『Yo-Yo Ma, Ennio Morricone / Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone』

好きなチェリストが二人いる。一人はDavid Darling、彼はどこまでも冷たく感情を極力排し荘厳な世界を創る。いわば"月"のような人。

もう一人はこのYo-Yo Ma。Darlingに対して明るく伸びやかで太陽のように燦々とこの世を照らしてくれる人。しかしながら二人には共通した部分もある。それは楽器を歌わせられる人だということ。チェロはもともとどんな人が弾いても(ある程度のプロの人なら、という仮定のもとに話をしている)、それなりの深みは醸し出せる楽器ではあるが、あまり胸を打たれる演奏に出会わないのである。しかしながらこの二人の演奏はまるで楽器に別の人格があるかのようにぐいぐいとこちらに語りかけてくるようで、いつ聴いても聴き惚れてしまう。

このアルバムはYo-Yo Maが敬愛する映画音楽界の重鎮、Ennio Morriconeの楽曲を彼自身の編曲と指揮のもと録音された奇跡のようなアルバムなのである。驚いたことにYo-Yo Maは旋律だけを演奏するのではなくその対位する旋律を控えめに弾くこともある。その「控えめな巨人」としての在り方には本当に身体が痙攣するくらい感動する。

心がすっとほどける素敵なアルバムである。これ見よがしなお節介とは無縁。「私達は音楽を愛し、賛辞を述べ、感謝の気持ちのもとに演奏しているだけです」と言わんばかりのその姿勢に涙が止まらなくなり、ひとしきり泣いた後には心がすっとほどけている素敵なアルバムである。

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『Roger Eno / Voices』

六本木WAVEがまだあった頃、会社帰りによく立ち寄り大人買いをしていたが、その当時出会った一枚。やみくもに「Ambient!!!」と喜んで手にしたアルバムだったが、聴き込むほどに味わい深くなっていく魔性の作品。

兄Brianの陰に隠れるようにして細々と活動しているように感じられるが、この人のこの繊細に見えて実は意志が強く頭脳明晰な感じが好きだ。

ソフトなエフェクトのかかったピアノ(シンセ?)の音がブランケットのように身体を包んでくれる。あるいは温もりのある霧のようでもある。単純な繰り返しの中から沸き起こる歓喜とも絶望ともとれるメロディーがこの上なく心地よい。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-15 20:15 | 音楽

お勧めCD〜大人の時間編〜

今日ご紹介するアルバムは勿論お一人で聴いてもとっても楽しめるのですが、出来たら大切な人と二人で聴いて頂きたいと思います。なんとなくデートコースっぽくご紹介しますのでご自由にストーリーは設定してください。

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『Eliane Elias / Around The City』

もともと、この人はジャズピアニストで、たまたま歌ってみたら「歌もいいんじゃん?アルバム作っちゃえば?」みたいなノリでここんとこ何枚かボーカルアルバムをリリースしてます。最新作はボサノヴァをベースにしたポップス。完全にボサノヴァではなくジャズの人が見せるボサノヴァへの深い造詣、といったテイスト。EBTGのTracy Thornっぽい歌い方なので、流しておいて邪魔にならず、かと言って完璧にBGMと化すほど謙虚でもなく、良いバランスのアルバムです。昼過ぎから夕刻にかけての時間にぴったりです。

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『Gabriela Anders / wanting』

最新作『Last Tango In Rio』も雰囲気があって素敵なアルバムですが、このデビュー作もシンプルだが品があって好きです。

基本的に小悪魔系可愛めボイスなのですが、時に喉を絞るようにして歌うが下品にはならずどこか可愛さの残る色気を振りまいて聴く者を惑わせる。けれど、あざとさは微塵も感じられない。罪な女性です。

決して脳天気にならない上品な明るさ、楽曲のアレンジのセンスの良さ、どこか不安にさせる要素を孕みつつも心地よいメロディー、全てにおいて完成度が高い。

アイドルグループ出身だと聞きましたが、侮るなかれ、アイドルです。

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『St Germain / Tourist』

このアルバムを聴いて何故か熊のような体格ながら洗練された物腰の紳士が思い浮かびました。「ただの好みじゃん?!」というツッコミ、大歓迎です。

太く黒いバイブス、ミニマルミュージックのような展開、とてつもなくフロアー・オリエンテッドなのにヒーリングな要素も持ち合わせています。

『So Flute』の凄さにノックアウトされて購入したが、捨て曲なし!あっという間の60分! 踊れます!酔えます!

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『Bobo Stenson / Goodbye』

踊って汗かいた後はしっとりと酔いたい、という方にお勧め。こんな曲がバーで流れていたらそりゃあお酒呑めない僕だって呑んじゃいますよ、たぶん。

鼻歌のように軽く、遊んでいるようにポロンポロンと鳴るピアノにしっとりと寄り添うようなベースとドラムが絡み、溜息の出る様な美しくも儚い音空間を作り上げています。

素晴らしいのは、こんなにも優しく密やかな音楽なのに、3人の張り詰めた緊張感が感じられること。やわな環境音楽とは一線を画しているところです。

どの曲もうっとりと聴き惚れてしまいますが、タイトル曲『Goodbye』は極上の味わいです。

成熟した大人の童話、とでも言いましょうか。

いつものことながらECMのプロデュース力には感動を通り越して畏怖の念すら感じます。

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『Gidon Kremer & Kremerata Baltica / Silencio』

これは間違ってもベッドで愛の台詞を囁いている時に流さないように気をつけてください。一夜をともにして、翌朝何気なくtrack7~12をプログラムしてリピートで流しましょう。

「心」ってこういうものかもしれないなあと思います。言葉で説明しようとするとスルリスルリと逃げていくのに、音楽にかかると「心」はそこに留まってくれる。いや、揺らめきつつ身体が追いつくのを待っていてくれると言うべきかもしれません。

Gidon Kremerのバイオリン、そして彼の構築する世界は 究極に美しく、そして時に残酷です。しかしその「残酷さ」は「真実をありのままに受け入れる」という意味であって、それが自然に出来ている人には「残酷」という認識ではなく、その逆に限りない安堵と喜びをもたらしてくれることでしょう。
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by reijiro_kaneko | 2006-07-14 11:46 | 音楽



ダンサー兼インストラクター『金子礼二郎』が気ままに呟いています。
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