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またまた半年ぶりの更新になってしまいました。ちょこちょこと素晴らしい音楽には出逢ってるんですが、聴いているうちに印象が変わってしまったり、アルバムトータルでお勧め出来る感じのものがあまり無く、ようやく出揃ったので本日めでたくご紹介出来ます。
とは言っても厳選に厳選を重ねて4枚だけ。 ●Marsen Jules 『Les Fleurs』 ある時はサラサラと流れる流砂のように、またある時は険しくそそり立つ氷河のように、構成要素とはまるで正反対で異質な印象を与える自然界のミステリアスな現象をイメージさせる音がひたすら続く。 圧倒的な音の波の中にぽつんと置き去りにされたようで限りなく不安になるけれど、いつしかその不安もどこかへ消え、波間を漂っていることが気持ちよく嬉しくなってゆく。 祈りの声は反芻する営みに消され、強大な力の前にただ沈黙だけが許される。 美しく儚く幽玄の世界。 なんてね。これじゃ全然分からないですよね。端的に言いますと、ビートが無いエレクトロミュージック。お洒落な家具屋さんとかでかかってそうなキラキラズゥーンな環境音楽っぽい仕立てになってます。気分の悪い時には死んでしまいたくなりそうですが、いやいや、ちょっと待って身体を預けて聴いてみてくださいな。身体の細胞一つ一つに染みわたっていつの間にか元気になれません? なれませんか?僕だけなんでしょうかねぇ。。。 ![]() ●Deadbeat 『New World Observer』 死んでしまいそう、と言えばこれもその類かもしれません。もうアーティスト名にすでに「dead」なんて不吉な文字が入ってますしね。 ピコピコギチギチドコドコした音の上に乗る寂しげなメロディーやサンプリングされた声。そのまま描写するとこんな感じになってしまうのですが、決して実験音楽にはならずとても美しい世界を構築しています。 くすんだ色の半透明の球体、それらはお互いに接触・吸収を繰り返し、また新たな球体を生み出していく。そんな情景が浮かびます。 こんなにも人工的なのに何故温かかったり優しかったりとてつもなくロマンティックなのでしょう。 そういう意味では上のMarsen Julesさんとダブるイメージがありますね。相反する要素の絶妙なバランスの元に成立する共存関係ってことですね。たかが音楽、されど音楽。人生そのものをうまいこと表現しちゃってるこの腹立たしさ。素敵です。 ![]() ●Dustin O'Halloran 『Piano Solos Vol.2』 どんどん寂しい感じになってますが追い打ちをかけるように次ぎの作品。 なんということはないんです。しかしそこに在ると少なからず心動かされる、そういう音楽は得てしてイージー・リスニングとして片付けられたり世界遺産などの圧倒的なビジュアルのBGMとしてひっそりと存在するに留まりがち。哀しいことです。 しかし、時にこういう音楽は静かで揺るぎない力を持っていることを思い知らされる。多くは語らないがその寡黙な口から時折漏れる深い言葉が深い感銘を与える人のように、Dustinの音楽は煌びやかで饒舌ではないが聴く人の心にさざ波を立てる。 分かりやすく淡々としたピアノの語り口。余計なものが一切排除された究極のロマンティシズム。ドライでウェットで真摯で嘘つき。んー、ますます煙に巻く感じになってきました。まあ、そういう時はつべこべ言わずにメロディーに身体を委ねればいいんです。そしたら自ずと何かが見えてくるでしょう。 ![]() ●Bill Frisell 『Ghost Town』 最後はお口直しにこんなんでどうでしょう? ポロンポロンとギターやバンジョーを爪弾く、その向こうでグロテスクな童話を読んでいるお婆さんが見えます。恐怖におののきながらも話の続きをせがむ子供達。そうですね、ファンタジックなものの裏には必ず真逆の邪悪なものが潜んでいます。だからこそ人は誘惑にかられ、怖い物見たさでついつい宝石箱の中を覗こうとする。 あらら?全くお口直しになってませんか? では強引に軌道修正。 短いトラックが多いのですが、それぞれの曲のイントロが全部こんな感じなのです。ちょっと怖い。かなり不思議。でもいつの間にか春の陽射しが差し込むダイニングルームへとチャンネルは変わっていきます。ポットがカタカタと音を立て、クッキーの甘い香りが部屋中にたちこめ、淡い色のカーテンが風に揺れています。 ほっとするとまた怖いお話が。。。。その繰り返し。わあ、病気になっちゃいそうです。だって仕方ないじゃないですか、タイトルが「Ghost Town」なんですもの。ほんとそのままゴーストタウンっぽいんですもの。こんなにちゃんとタイトルと中味が合ってるアルバムってのも貴重ですし。 ![]() ってことで今回はお勧め、というよりも「怖いもの見たい人はどうぞ。でもくれぐれも慎重に。責任は一切とりませんよー。」な回になってしまいました。次回はもっと「陽気でちょっとクレイジーなナイスなヤツら」をテーマにお送りしたいと思います。お楽しみに〜♪ ▲
by reijiro_kaneko
| 2008-03-31 19:44
| 音楽
パフォーマンスのお知らせをさせて頂きます。
来る4/6(日)、SESSION HOUSEというダンススクール兼パフォーマンス空間にて開かれる「シアター21・フェス」という企画に我がstudio CAS/T有志も新作にて参加します。 タイトルは「Letters」:「もうすぐ帰るよ」その言葉を信じて今日も夫の帰りを待つ妻達。クリスマスに奇跡は起きるのか? ロマンティック・コメディタッチの変テコなダンス作品です。皆さんにリラックスして楽しんで頂けるよう出演者一同頑張ります! と告知しておいて何なのですが、まだ全体が通っていません。未だにあちこち改変を加え、工事中のぼこぼこの鋪装道路みたいな状況です。やや不安。 いやいや、宣伝なのにこんなに弱気ではいかん!今日、劇的な手直しを入れてだいぶ起伏に富んだ楽しい作品に仕上がる予感がしてきました。 他にも3チーム出演されるのですが、4/1に下見に行くまでどんな他チームがどんな作風なのか全く予想もつきませんが、ただ、ウチは本当に肩の凝らないテイストになっていると思います。それだけは自信を持ってお勧めできます。(んー、これはお勧め文句になってるのか、、、。) 『ROOTS』のチラシ・パンフレットのお人形を製作してくれた中嶋さんが今回も小道具の手紙を作ってくれました。舞台上ではあまり良く見えないかもしれませんが、陰の主役です。ここにも製作途中の画像を載せておきます。 ![]() ![]() ![]() 詳細は以下の通りです。 4/6(日)16:00/19:30 『 シアター21フェス Step up vol.18 』 出演:原和代、LAG、studio CAS/T project、平岡優子 ticket:前売:\2,300 当日:\2,500 @SESSION HOUSE(http://www.session-house.net/index.html) もしご興味がある方はご一報ください。チケット、ご用意させて頂きます。しかし、残り僅かとの情報が入ってきております故、お早めにお願いします。皆様のお越しを出演者一同お待ちしております!!! ▲
by reijiro_kaneko
| 2008-03-24 11:49
| 舞台
来る3/18(火)に最近僕が習っている先生がご出演される舞台があります。
contemporary dance company 『Roussewaltz』公演 『PICNIC』 @目黒パーシモンホール(大ホール) ¥4000 19:00開場 19:30開演 詳細は以下のURLへどうぞ。 http://www.kalin-net.com/roussewaltz 是非一緒に行きましょう。もしチケットを当日受け付け預けにしたい方は僕に連絡をください。 castcontemporary@yahoo.co.jp ▲
by reijiro_kaneko
| 2008-03-11 21:58
| 舞台
自画自賛と言われようと何と言われようとこれだけは言わせてください。
ここんとこレッスンに参加してくださる皆さんの動きが格段に良くなっているのです。うーん、それは言い過ぎかなぁ。動きそのものはまだまだ洗練されてはいないけれど、何よりもまず「楽しいから踊る」その気持ちが伝わってくるんです。 そうなるとこちらも「よっしゃー!そうじゃなきゃアカン!楽しいから踊るんじゃ!ほなら、わても気合い入れんとアカンなぁ!ガッツリ指導しまっせ!」となる訳です。馬鹿みたいに歌ってたり、妙な動きを突然始めたり、雄叫びを上げたりしてますが、別にそれで盛り上げようとか狙ってるつもりもありません。自然とそうなってしまうのです。 とある女優さんが言っておられました。「人間は昔、ある星の住人で触覚を沢山持っていたの。地球へ移住してきた仲間達はどんどんその触覚を失ってしまい、その結果人の気持ちはおろか自分の気持ちにさえ鈍感になっていってしまったの。」 まあその話はちょっとスケールがデカすぎるしスピリチャルな次元の話なのであまり良い喩えじゃないかもしれませんが、あながち間違ってる話じゃないと思うのです。 確かに現状のクラスではお揃いの振りを同じ方向を向いて一緒に踊ってるからなかなか感じにくいと思いますが、立ちどまって考えてみてください。こんな空間はあまり日常生活では無いでしょう? 同じ音楽に合わせて隣の良く知らない人と一緒に思いっきり伸びたり回ったり飛んだりしてるんですよ。端から見れば尋常でない環境ですよね。でも中に入って皮膚の感覚を研ぎすませば空気が動いているのを感じて意味もなく楽しくなってしまうはずです。 4月からは新しい方向けにもキャンペーンを行っていく予定です。どんどん周りの方をお誘いしてどうぞ賑やかにお越しください。 これからもますます「幸福なダンス」の輪を広げていきたいと思います。 ▲
by reijiro_kaneko
| 2008-03-08 23:00
| レッスン
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