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【礼二郎のつぶやき】

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生かされている意味

最近、嬉しいと思うと同時にやたら責任を感じる出来事がありました。

Instagramに僕が上げた動画を観て遠路遥々愛媛から受講しに来てくれたうら若き女性、去年公開の僕が出演させて頂いているKirinjiさんのPVを観て「渋い!」と感じてレッスンを受けてみたくなったと話してくれた好青年。

どちらも僕自身を生でご覧になって、というケースではなく、ネット上の動画でという時代を象徴する在り方に驚いたり感心したり。

しかし、よくもまあ星の数ほどいるダンサーやダンス教師の中から僕のような若干おかしな人間を選ばれるとは、本気で彼等の将来を危ぶみます。

毎週末イベントに作品を精力的に出品している訳でもないし、大手ダンススタジオでカリスマと呼ばれる先生達のような何百人も生徒さんを抱える状況にもいませんし、細々と更新しているYouTubeアカウントの再生回数も爆発的な数字には程遠いし、まるで台湾の山岳民族のようにひっそりと暮らしている僕のような人間でも世間にジワジワと周知拡散されていってしまうこのご時世が本当に有り難くも恐ろしいなぁと思うのです。

ちゃんとしなきゃな、と思います。

そして、やり続けなきゃな、とも思います。

大衆に支持される「そこそこ美味くて飽きない味」の大ヒット商品にはなれなくても、「美味しいのかマズイのかよく分からないけど、恐々もう一度食べたくなる珍味」を極めるためにも。

そんな珍味とも呼べない日頃重宝しているはずなのにうっかりその存在を忘れてしまう、そうだなぁ、ドアノブみたいな作品を今創っています。

「これをやったらウケるだろう。これをやったらドッカーン!と生徒増えるだろう。」みたいな事は全く考えていません。ひたすら、やりたい事をやってキャッキャと喜んでいます。

あ、そうそう、昨日ロケ中に嬉しいことがありました。歩き始めて間もないような幼児がカメラをセッティングしている僕のすぐ近くまでトコトコと寄ってきてじいっと眺めている、それも一度ではなく二度三度。とっとこハム太郎の着ぐるみを着ていたならそれも納得出来ますが、どう見ても不審者にしか見えない出で立ちの僕の側で見守ってくれている彼等に、叡智を超えた何かを感じたのは言うまでもありません。
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by reijiro_kaneko | 2019-10-28 11:28

「観ろ!」な作品と「観ないで…」な作品

blogの更新が一週間毎になりつつある金子です。

前回YouTubeに上げた新作動画製作に精も根も使い果たして燃え尽き症候群に陥っている、と見せ掛けて実は次の動画製作にいそいそと取り組んでいるが為にblogもそっちのけ、だったのです。

手探りで進めている新作動画の撮影と編集ですが、創りながら完成図を見出していくいつものやり方でようやく明確なビジョンが見え始めたので、ここら辺でホッと一息つこうとペンならぬ指を取りました。

同時進行で編集しているパートナーのハロウィン映像と自分の動画を見比べてみて新たに発見、いや分かっていたけど何故か認めたくなかったことを受け入れる心の準備が出来ました。

お許しが出たので間も無く僕のYouTubeアカウントにパートナーのその動画も載せますが、僕の動画との圧倒的な違いがご覧になればお分かり頂けると思います。

本人のアピール力と撮った時の画力が半端ない、のです。変に編集をかけて加工してしまうとその良さが半減してしまうのでなるべく最低限の編集に留めました。シンプルな編集にも関わらず画面を突き破って飛び出してこようとするエネルギーは酷い悪阻で苦しんでいる妊婦も驚いて一瞬症状が改善してしまうほど。

対して、僕自身の創る動画作品は「観て欲しいのにマジマジと観られると恥ずかしいし苦しいから観ないでくれたら少し助かります…」という表現者には有るまじき面倒臭さ。切れ味鋭い大阪人から「おまえ、どっちやねん!」とスコーンと頭を叩かれるツッコミを入れられるのをお花畑でヒラヒラと舞いながら待っている、とてつもなく面倒臭い奴です。

なんなんでしょうかね、この「観て欲しいのに観て欲しくない」という性分。

そんな面倒臭い自分をいつまでも甘やかしているのも不甲斐ないので、今回は思い切って「観て欲しくない」作品を創ろうと思いを新たにしました。

全てがひっそりとしていて、不気味で、寂しくて、観ていてソワソワしてしまうものを。

画像はその新作の一コマですが、これも使うかどうかまだ分かりません。

皆さま、どうぞ公開の暁にもご覧にならないでください笑
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by reijiro_kaneko | 2019-10-25 12:07

落第万歳

またまた性懲りもなくトレーニング記事です。

以前のblogで少し触れましたが、ダンスに関しては「先生」なんてもんをやらせて頂いているので怪我でもしていない限り自分がブザマな姿を見せるなんてことはしませんし、してちゃいけないと思います。自分が出来ないこと、不得意なことは皆さんにやらせず、自分の得意なことを皆さんが少しでも会得出来るよう指導するのが仕事だと考えています。

しかし、当たり前のことですが、他人に師事するという状況ではそれが180度変わります。出来ることもあるけれど、出来ないこと・不完全なことの方が占める割合は高くなる、それが普通。

昨日もそんな1時間でした。

一年続けてきたトレーニングの成果が上がっている部分もありますが、やはり弱点は弱点のままデンと鎮座していて「俺はテコでも動かんぞ!」と昭和の頑固親父よろしくむっすりとご機嫌斜めなご様子。そんな頑固親父を「ほらほらお父さん、愛娘の旦那様にそろそろおはようの一言でもかけてあげなさいよ」となだめすかしたり、胡座をかいている座布団をテーブルクロス抜きの芸当のように華麗に引き抜いて親父をコロンと転がしたり出来る名トレーナーの妙技に毎回感動させられています。

それにしても、出来ないことが多すぎて凹みます。未だ逆立ちは未完成ですし、出来る様になった懸垂からの逆上がりも何度もやっていると筋肉が耐えられなくなって諦めたナマケモノみたいになってしまいます。
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そんな時にやはり糸井氏は救ってくれるのです。

「落第万歳!」

大学卒業時、会社を辞めた時、ダンスから一度離れた時、そのそれぞれで己の至らなさを突きつけられ落胆はしたはずなのですが、そこには巧妙な言い訳が伴い真に事実を受け止めきれていなかった自分がいたことを数十年経って思い知らされる。

なんとも痛快です。

「落第万歳!」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

・こんな年齢になってから、いまさらの話をします。ぼくは、少し遠慮がちにですが、大学生の人なんかに、「落第とか留年とかは、したほうがいいね」と、言ってやりたいと思うようになりました。

遠慮がちにと、あえて付け足したのは文字通り遠慮です。人生に対する考え方はそれぞれにあるでしょうから、ぼくが思う「いい」を、人も「いい」と思えるかどうか、わからないので、文に「逃げ」を入れているだけです。「息子の人生をダメにしたら責任とってもらえますか」みたいなことを言われたらかなわないからです。

とか、言ったうえで続けますが、「落第とか留年」あるいは「退学」は、卒業してからではできないことです。もう卒業してしまったら、取り返しがつかない。それまで歩んできたまっすぐな道の、外れようなのか、曲がりようなのか、戻りようなのか、それを経験することになるわけです。このことを挫折と呼ぶ人もいるでしょうし、失敗ととらえることもあるでしょう。どのみち「価値観」を問い直す機会になると思うのです。逸脱だか挫折だかを軽く経験することで、ぬかるみに迷い込む場合もあるでしょうし、いままでと別のおもしろさを知ることもあるでしょう。どちらにしても、不安と期待が増えそうです。そして、その分以上に自由を見つけることにもなります。線路の上だけを走る電車のようにではなく、広い道狭い道、道のない道を行かざるを得ない自動車のような動き方を覚えるかもしれません。

とにかく「勉強ができる」ということだけが、なによりいちばんの価値だという考えから、すこしでも解き放たれることは、大チャンスなのです。ぼくのこの考えは、昔よりいまのほうが言いやすい。決まった勉強でいい点数を重ねていったら、人に認められて幸福を手に入れやすくなるということが、昔よりもずっとやりにくい社会になっているからです。いま、ぼくに大学生の息子がいたら、きっと、留年とか退学とかしないかなぁと期待してると思います。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。失敗や挫折は狙ってはできないけど、運よく得られるもの。

by reijiro_kaneko | 2019-10-18 11:43

第9弾映像作品公開しました

ハイペースで動画を上げていたにも関わらず、ピタッと新作を創らなくなって早4ヶ月。

何人もの方から有難いことに新作を楽しみにしてくださっているとの声を頂き、すっかり枯れ果ててしまった己の創作意欲を恨めしく思うも、うんともすんとも言わない状況が長らく続きました。

台風が遥か南の海上に発生すると必ず頭痛が起こる特異体質なのですが、今回の台風19号はちょっと勝手が違っていました。

発生した瞬間から異常な創作意欲が湧き、頭痛は怖いくらいピタッと形を潜め、勝手に構成が脳内で完成し、本日無事に撮影敢行して参りました。

動画の説明欄にも書きましたが、今回は少し趣向が異なります。

被災した皆さんからしてみればこんな動画など何の役にも立たないどころか独り善がりな想いなど逆鱗に触れて当然、だと思います。

なのに、何故公開するのか。

自分でも疎ましく思う自己顕示欲ゆえ、なのでしょうね。ナンチャッテ作品を創り続ける業の強さに呆れ果て反吐が出そうになりながら、心の何処かで自分を可愛いと思っているのです。

本当にそんな奴、死ねばいいのに、ですよね。

とかなんとか言ってますが、折角創ったので是非ご覧ください。
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by reijiro_kaneko | 2019-10-13 19:42

足掻いてます…

のんびりと移動する時間がある金曜日は割と筆が進む。調子に乗って余計な事も書いてしまいがちなのが困った事ではあるけど、書いたそばから読み直せば要らんことは割愛出来るから一行書いては添削、を繰り返しながら書いている。それでもスピードはだいぶ速いようだ。

昨晩、ある動画を観た。カメラのことについてオジサン(と言っても、僕よりだいぶ若い)が滔々と言いたいことを言っている動画なのだが、性差による撮り方の違いや出来上がった写真の特性を見事に分析されていてウーンと唸ってしまった。

男性はメカ好きのあまり如何にカメラの機能を最大限に発揮させるかに思考が囚われてしまい勉強して頑張れば誰が撮ってもそうなる絵しか撮れない人が多く、対して女性はカメラの性能は二の次で魅力的な構図やカワイイ物を撮るかということに長けている人が多い。

ステキな写真を撮りたい!というゴールが山頂にあるとしたら、男女は全く反対の登山道から登山を始める。その例えにも深く共感した。

じゃあ、ジェンダーフリーの自分は果たしてどうなのか?

ええ、見事に中途半端です。徹底的に機能を使いこなそうとしてはニッチもサッチもいかなくなり諦めて、感性という魔法の言葉で撮ろうとするも敢えなく失敗。機械オタクにもなれないし、カワイイ物も撮れやしません。

ダンスに長年携わっていてこれほどの劣等感を感じたことはありません。身体能力もそれほど高くないのに、何故かイイトコ取り出来る才能には恵まれたので、ちょいちょいとそれっぽい形やムードにしてしまえるダンスと違って、写真は赤裸々にセンスが露呈されてしまいます。

嗚呼、そんな分析をしていたら、肝心のダンスでさえ自信が無くなってきました。「ダンスは運動ではないですから」というトレーナーの衝撃的な一言を頂いてから、脇目も振らず「運動機能の向上とバランスのよいボディ」を得るためにトレーニングを続けてきて、ふと立ち止まって考えてみると「綺麗によく動いて身体の歪みもないけれど、なんかクソ面白くない」ダンスになってしまっていて、一体これはどうしたもんだか…とこの一ヶ月ほど撮った自分の動画を観ては途方に暮れています。

まさになんちゃってオジサンカメラマンが陥る最先端技術を駆使して撮った写真が何の面白味もないシンドローム、あろうことかそれと全く同じ状況にある自分自身のダンス。

こんなんだったら今すぐダンスもカメラも辞めた方がいいのかもしれません。

でもねぇ、人間てそう簡単に諦められないんですよね。くっだらねぇ!と思っていてもバッサリ辞められる人の方が少ない。自分も多分に漏れずそうです。

辞められないからもう少し足掻きます。

それにしても、なんかこうパアアッと様変わり出来ないもんですかねぇ。いっそのこと脳みそ取り出して一度ホルマリン漬けにしたら劇的に変わるのかなぁとかくだらないことを考えています。
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by reijiro_kaneko | 2019-10-11 15:12

台風19号接近に伴うスケジュール変更のお知らせ

皆様、平素からstudio CASTをご愛顧下さり誠に有り難うございます。

10月・11月のスタジオスケジュールのお知らせです。

10/12(土) 台風19号接近に伴い休講
10/30(水)振替レッスン(昼・夜共に実施)

11/30(土)休講

以上となります。当初10/30は5週目にあたり休講としておりましたが、今月に限り振替で通常通りの開講となります。宜しくお願いいたします。

なお、写真は昨晩のレッスンに突然現れたスペシャルゲストの方です。
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by reijiro_kaneko | 2019-10-10 09:32

ひとやすみ

ごく稀に心の中にポッカリ穴が空いてひゅうひゅうと風が吹き抜けていくような感覚を覚えることがある。

何があったわけでもない。身の回りで不幸があったわけでもないし、仕事が上手くいかないわけでもない。とにかく、心に空いた穴の中にちょろちょろと虚しい水が流れ込んで、さっきまで吹き抜けていた風すらも止んで凪いだ水面を何とも言えない気分で眺めている。

もともと、心のダイナミックレンジはそれほど広くはないからどん底の気分を味わうことも身体が震えるほどの激昂を感じることもない。しかし、そのあまり動かないメーターが時折カタッと止まってしまいどちらにも動かなくなることがある。それが厄介だ。

以前なら全てが停止してしまい日常業務にも支障をきたしていたのに、心がどう在ろうと関係なく創り出す大脳辺縁系の部位は休むことを辞めない。それも厄介だ。

そろそろどこかへ行方をくらまさないと辻褄が合わないのかもしれない。

雄大な山が見たい。風にそよぐ木々の幹に身体を預けて煩雑な思考を追い払いたい。ただただ眠りたい。
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by reijiro_kaneko | 2019-10-07 11:31

ヘイトをヘイト

またしても糸井シンクロで有頂天の金子です。

「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが、究極の綺麗事だと思うのです。対個人、対社会に於いて「罪」を犯した人を「あいつは悪い奴だ!」と決め付けて「悪いことをしたんだから死刑だ!」と安直に言い放ってしまうのは本当に楽なのです。勧善懲悪のヒーロー物が思春期の男子に賛美されるように、「◯◯さんのご主人、左遷ですって。夫婦揃ってダメ人間ね。」などと悪口を言う主婦友達のように、「罪」や「悪」をその人のアイデンティティと同一化して攻撃したり排除しようとするのが人間という生き物の性なのです。

そんなことを分かったように吹聴している僕ですが、ちっとも悟ってなんかいません。好みは相変わらずハッキリしているし、何らかの理由で「攻撃してくる」ように見える人に対して「ややや!お主、やるおつもりか!」と臨戦態勢に入るなんてこと日常茶飯事です。

心に余裕がある時は、あまり好みではない物事に対して寛容になれますし、喧嘩を売られても戦おうとは思いません。

しかし、人間ですもの、いつも平たいワケにもいかず心も身体も悪天候な状況に陥ることなんてザラにあり、そんな時に目の前を仰々しく行軍なんかされようものなら無駄に重い甲冑を身に纏い錆びた剣を振りかざして単身大軍勢の中に飛び込んでやみくもに斬れもしない古刀を振り回してしまうこと、しょっちゅうあります。

この刀、古いし錆だらけなんですけどね、意外と良く斬れるんですよ。斬れる、というよりはその重みで無理矢理ぶったぎる、というお粗末な仕事ぶりですので、まぁ後味は悪いことったらありゃしません。

骨皮辛うじて繋がって生きているおぞましい怪我人の山を目の当たりにしてようやく正気に戻ります。

あぁ、またやっちまった…

正義をふりかざして成敗、なんて気持ちが1%でも自分の中に存在してたら全くお話にならないダメっぷり。果たして、その正義とやらですけど、地球上のすべての人にアンケートを取りディベートをした上での正義ですか?自分に都合の良いどっかから借りてきた浅はかな正義なんじゃないですか?と冷静になった時に鼻の穴パンパンにして荒ぶっている自分に尋ねてみると何も言い返せないことが殆ど。

自分と違う考え方や行動や様式美を完全に違和感なく受け入れることは不可能だとしても、それらが存在する事実や意義を理解し尊重し自分を成長させてくれる何かを盗む努力を続けることは大きな価値があると思うのです。

これは、以前書きかけて引き出しにしまってしまった「プライド」と「自尊心」の違いにも関連します。

「プライド」はその根底に劣等感があるのに対し、「自尊心」にはそもそも劣等感という概念はありません。

「プライド」はその劣等感故に自分より優っていても劣っていても関係なく他人を攻撃しますが、「自尊心」は自分とも他人とも戦っていません。

対して「自尊心」のある人はありのままの自己を肯定し欠点も含めて自身を尊重するので、常に前向きであり無益な争いをせず真の紳士淑女となり得るポテンシャルを有しています。

あぁ、本当にそうなれたらどんなに良いでしょう。そんな人ばっかりだったら世の中諍い事など消滅するでしょう。

もうとうの昔にプライドなんて捨てたと思っていても、消火したはずの焚き火がまたチロチロと燃え出すように嫌な感情が湧き起こってくると、自分を呪い殺したくなります。

例えそれが面白半分でチョッカイをかけられたが故だったとしても、そんな誘導に易々と負けてしまう自分はヘタレもいいとこです。

一体、紳士になれる日は来るんでしょうか?

それにしてもラガーマンはカッコいいです。
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ーーーーーーーーーーーーーーーーー

・戦いというと、他の考えもなく、「敵を憎む」ということになってしまうのは、かなり遅れた思考なんだろうなぁと思う。

「敵」と決めたとたんに、もう、「だから憎むべきである」と決めてしまい、「敵にはなにをしてもいい」となってしまうこと。ここから、抜け出すような考えを、ぼくらはたしかに、あんまり教わらないできた。

「敵」を決めて、それを「憎む」ことは珍しくない。いったん「敵」であると決めつけたら、それはもう人間として扱うのではなく、「敵」という「憎むべきもの」になってしまうのだから、「敵」には、嘘をつこうが、脅かそうが、ときとして暴力に訴えかけようが、こころは痛まない。そこには、それはもう大変な判断があったはずなのだが、実際の「敵」認定は、あんがい根拠なくなされる。

これを書いているぼくだって、どこかのだれかに「敵」認定されているだろうし、この文を読んでいるあなたにしたって、どこかで「敵」にされたり「敵」をつくったりしている。

もしかしたら、いずれ、人間の社会が、もっとましなものになっていたとしたら、まず、「敵」は憎むものとはかぎらないということが、わりと常識のようになっているかもしれない。しょうがなく「敵」ができることはあっても、それは憎んだり、陥れたりする相手とはかぎらない。いま言うと、甘っちょろい非常識かもしれないけれど、少なくとも「そういうことはあるよ」くらいのことは、人がふつうに考える時代はくるような気がしている。

いま、ラグビーワールドカップの試合が、あんなにもおもしろく感じられているひとつの理由は、「敵」は憎む相手ではないということが、試合から、よく伝わってくるからだと思うのだ。社会をそのまま反映させたスポーツではなくても、「人のひとつの理想」を見せ合う競技なのだとは思う。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。「憎む」ことは、やがて、じぶんをも「憎む」ことになる。

by reijiro_kaneko | 2019-10-04 16:23



ダンサー兼インストラクター『金子礼二郎』が気ままに呟いています。
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